基本理念と事業ビジョン – ユニメディア代表 末田真氏(2/4)

The Value Talk 第1回 株式会社ユニメディア 代表取締役社長CEO 末田真さん

CORESCOとして脈々と続けていく営みの一つとして、企業の理念や価値観について経営層のお話を伺う活動を「The Value Talk」と銘打ってスタートいたしました。日系・外資を問わず、そして大企業からベンチャーまで企業の規模やステージを問わず、理念・価値観についてお話を伺って参ります。記念すべき第1回の取材先は、株式会社ユニメディア 代表取締役社長CEOの末田真さんです。


  1. 「マスメディア」から「ユニメディア」へ
  2. 基本理念と事業ビジョン
  3. 組織の7Sと行動指針
  4. 思いが伝わっていくように

2.基本理念と事業ビジョン

古森
ユニメディアとして大事にしておられる理念や価値観についてお聞かせ願えますか。
末田
はい。私たちが大事にしていきたいことを、いくつかの要素に分けて整理しています。「基本理念」と「事業ビジョン」。そして、その背景にある「組織の7S」。また、それらを具体化する「行動指針」があります。まず、基本理念と事業ビジョンについてですが、こちらをご覧ください。

基本理念

私たちはコミュニケーションの進歩と発展に貢献します
私たちは顧客をはじめとした業界全体の利益に貢献します
私たちはメンバーの夢実現に貢献します

事業ビジョン

世界の情報流通において『感謝の連鎖[エコシステム]』を生み出し続けるイノベーションカンパニーへ

古森
基本理念の最初にある「コミュニケーションの進歩と発展に貢献」というのは、先ほど伺った創業時からの考え方を表したものだと思いますが、二番目の「顧客をはじめとした業界全体の利益に貢献します」という部分は、どういう趣旨なのでしょうか。
末田
この文章には、非常に重要な要素が含まれています。目の前の顧客の利益に貢献するということは、通常どのような企業でも重視することだと思います。しかし、この文章の後半の「業界全体の利益に貢献」というのは、現実的にはなかなか難しいところではないでしょうか。
古森
うたい文句としてはあるかもしれませんが、本当にそれを実現するのは容易ではないですね。
末田
私たちは、それを本気で実現させようと意識しています。インターネットを軸にした情報流通の世界というのは、極めて変化の早い業界です。前提にしている事業環境自体があっという間に変わりますし、その中で個々のプレイヤーが提供すべき価値も変わり続けます。荒れ狂う環境にさらされた生態系のようなものです。
古森
嵐の中の、エコシステム・・・。
末田
そのエコシステムの中で、自分たちのことや直接対面している顧客のことだけを考えていても、生き残ることはできません。あくまでも、激変する環境下で自分たちが暮らす「エコシステムそのもの」が存在し続けるためにどうすればいいか。それを常に考えていなければだめだと思うのです。

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古森
なるほど、そういう思想なのですね。エコシステム全体が生存・発展していくことを考え追求していく存在。それが、事業ビジョンのほうの「世界の情報流通において『感謝の連鎖[エコシステム]』を生み出し続けるイノベーションカンパニーへ」という言葉にも投影されているのですね。
末田
エコシステム全体のことを考えるだけでも、まだ不十分です。また、イノベーションを追求するだけでも駄目です。エコシステムの中で暮らす様々なプレイヤーから「ユニメディアがいてくれて良かった」と感謝されるような行動をとり続けること。そのために、常に新しい視点でイノベーションを追求していくこと。これらが同時に成り立ってこそ、ユニメディアとしての発展もあるのだと思います。
古森
そうした中で、基本理念の3番目にある「メンバーの夢実現に貢献します」というのは、どのような位置づけになりますか。
末田
このように変化の激しい業界では、厳密に戦略を練って、計画を立てて、指揮命令系統にしたがって遂行していくような方法では、とても生き延びることは出来ません。核になるのは、個々の「人」です。つまり、メンバー一人一人が会社の生き残りを担う極めて重要な核となるのです。
古森
「夢」という言葉のニュアンスが気になります・・・。
末田
100%適切な表現がないのですが、私が言いたいことに最も近い響きがあるのが「夢」という言葉ですね。「自己実現」という言葉がありますが、そうではなくて、ユニメディアのメンバーは「夢実現」を考えてほしいと思うのです。
古森
「自己実現」ではなく「夢実現」。
末田
自己という殻の中で何かを実現して満たされるということではなく、あくまでも、「事業を通じて世の中に対しこんな貢献をしたい!」という夢を抱いて、その実現を目指して欲しいのです。その夢へのチャレンジを通じて、自分自身を大きくしていこうよということです。
古森
個人の枠を超えて、会社というある種のエコシステムのことを考え、さらにその外にある大きなエコシステムを支えていくようなイメージですかね。個々人がエコシステム貢献志向を持つことで、その人自身も成長していくことを理想としておられるのですね。一貫性を感じます。

>> 3.組織の7Sと行動指針